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2018.4.26

介護の自己負担、原則2割に 財務省が提案 次期改正、引き上げラインが焦点


《 財政審 田近分科会長代理 25日 》

原則2割が正式に提案された。介護保険の利用者に求める自己負担の話だ。
 
財政健全化への道筋を話し合う財政制度等審議会の25日の分科会。給付と負担のバランスをとり、制度の持続可能性をできるだけ高めていかなければならないとして、財務省は原則2割に向けて段階的に引き上げるべきと主張した。一部の利用者や事業者などから強い反発を招くのは必至。自己負担のあり方をめぐる論争が一段と熱を帯びそうだ。
 
財政制度分科会(平成30年4月25日開催)資料一覧
 
介護保険の自己負担は利用者の所得に応じて3種類。1割、2割、3割がある。2割が初めて導入されたのは2015年8月。3割は今年8月から適用される。2割の対象となるのは、年金などの収入が年間で280万円を超える利用者。このうち、年収が340万円以上なら3割となる(ともに単身世帯の場合)。厚労省によると、2割以上に該当するのは全国におよそ50万人、利用者全体の概ね1割となっている。
 
こうした自己負担の「引き上げライン」を、2021年度に控える次の制度改正でどう見直すべきか −− 。それが最大の焦点だ。1ヵ月あたりの上限額(高額介護サービス費)の見直しも俎上に載るとみられる。攻防が本格化するのは来年度。具体策は2019年末にも固まる見通し。当面の間は、政府が今年6月にまとめる「骨太の方針」にどんな記載をするかが注目される。時の政局も議論の行方を大きく左右していく。
 

「サービスの利用控えが増える」

 

財務省の危機感は強い。2025年、2030年、2040年と増え続けていく給付費を、今の仕組みのままで賄うのは難しいと訴えている。この日の会合では、65歳以上の要介護認定率が18.6%にとどまっている(2016年11月審査分)ことを改めて説明。「実際に介護サービスを使っている人と保険料を負担しているだけの人がいる。均衡を図るべき」と持論を展開した。加えて、40歳から64歳の現役世代の負担が過重となっていくことへの懸念も示した。
 
財務省はあわせて、居宅介護支援のケアマネジメントでも利用者から自己負担を徴収することや、高齢者の医療費の自己負担を引き上げることなども要求している。「経済的な理由で必要なサービスを使えない人が多くなり、結果として早く重度化してしまうケースも増えていく」。そんな懸念の声が高まっている。利用者の財布のひもがさらに堅くなれば、施設・事業所の経営にも大きな影響を与えていく。
 
「介護サービスの利用は長期間に及ぶ。家計への打撃は医療よりも大きい」。自己負担の引き上げにはそんな慎重論も根強い。このほか、「負担増を納得してもらえるように根拠を丁寧に説明すべき」「個々の資産に着目した仕組みに切り替えるべき」といった意見も出ている。

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