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Report

2018.3.9

悪質なら事業停止命令も 無届けホームの指導監督、自治体の権限を強化 4月から

 


《 6日の担当課長会議  》

入居者1人あたりの床面積が指針の半分以下だった −− 。室内は日中でも薄暗く衛生的にも問題があった −− 。
 
有料老人ホームの実態を調べた総務省のレポートだ。行政評価局が2016年9月にまとめた報告書でそう指摘。一部の施設は質の改善が欠かせない、と厚生労働省に勧告していた。いわゆる「無届けホーム」の問題も各方面から提起され、何らかの対策が必要だという認識が共有されていた。
 
有料老人ホームの制度が4月1日から変わる。何度も繰り返し注意しても耳を貸さない悪質な事業者に対し、都道府県などが状況に応じて事業停止命令を出せるようになる。現行では改善命令まで。自治体の権限を強化し、指導・監督の効果を高めていく狙いがある。
 
昨年5月に成立した改正老人福祉法に盛り込まれていた。未届けの有料老人ホームも事業停止命令の対象となる。厚生労働省は6日に開催した政策説明会で、集まった都道府県などの担当者に入居者の保護に注力するよう指示。届け出の義務を未だ果たしていないところの把握や必要な助言、後押しなどに努めることも要請した。
 
全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料
 
国のデータによると、介護保険がスタートした2000年は全国に349施設しか有料老人ホームがなかったという。2015年はそのおよそ30倍。1万627施設へ急増した。厚労省の調査では、2016年6月の時点で未届けのところが全国に1207施設確認されている。ただし、自治体が把握できていない施設もまだ残っているとみられており、総務省は「実態は未解明」と分析している。
 
4月の制度改正では、事業停止命令や倒産に至った場合にそこで暮らしていた入居者の行き場が無くならないよう、必要に応じて自治体が他のサービスへつなげることとされた。また、入居者から前払い金を徴収する際に保全措置をとることを義務付ける対象を、今より拡大していく(経過期間3年)ことも含まれている。

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