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Report

2018.1.30
= 2018年度 介護報酬改定 =

通所介護のアウトカム評価、ADL維持・改善で全利用者に3単位 要件も決定

 


《 社保審・介護給付費分科会 26日 》

自立支援・重度化防止の推進が大きなテーマとなった来年度の介護報酬改定 −− 。目玉の1つは通所介護のアウトカム評価の導入だ。26日の社会保障審議会・介護給付費分科会ではその具体的な内容も決められた。
 
第158回社会保障審議会介護給付費分科会資料
 
厚生労働省が新設するのは「ADL維持等加算」。その名前が示している通り、ADLの維持・改善につながった利用者が多い事業所を評価するインセンティブだ。指標には「Barthel Index(*)」を用いる。設定された各種の要件をクリアすれば、利用者の基本報酬を3単位から6単位上乗せできることとされた。「単価が安い」との不満の声も出ているが、時間区分の細分化や基本報酬の引き下げによって一段と厳しい経営を迫られる環境下で、どこまで取り組みが広がっていくか注目されている。
 
Barthel Index(BI:バーセルインデックス)
広く用いられているADLを評価する指標。食事、車いすからベッドへの移動、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便コントロール、排尿コントロールの計10項目を5点刻みで点数化し、その合計を100点満点で評価する仕組み。
 

 対象者の90%以上のBIを測定・報告

 
新たな「ADL維持等加算」には評価期間がある。予防給付の「事業所評価加算」と同様で、毎年1月から12月までの1年間だ。評価の対象となるのは、評価期間のあいだに6ヵ月以上続けて利用(*)した高齢者全員。この半年間のBIの変化が実際に加算を取れるかどうかの分かれ目となる。
 
評価期間のあいだに6ヵ月以上続けて利用
この6ヵ月間が複数ある場合は、最初の月が最も早い6ヵ月間が対象となる。例えば、3月から11月まで利用した高齢者は3月から8月でないといけない。
 
極めて重要なキーワードが「BI利得」だ。最初の月のBIを「事前BI」、6ヵ月目のBIを「事後BI」として、「事後BI」から「事前BI」を引いた結果を「BI利得」と呼ぶ。26日の審議会では、厚労省がこの「BI利得」の多寡をみて算定の適否を判断する方針を表明。具体的な要件として、
 
BI利得が上位85%の高齢者について、個々のBI利得が0より大きければ1、0より小さければ−1、0ならば0として合計した値が、0以上であること
 
を提示した。「事前BI」と「事後BI」の測定は、必ず事業所の機能訓練指導員が担当しなければいけない。実際にBIを測定・報告している高齢者の割合が、評価の対象者の90%を超えていることも必須となっている。
 
その事業所に評価の対象者が20人以上いることが前提。儲かる相手だけを選ぶ「クリームスキミング」を抑制する観点から、対象者に占める要介護3以上の割合が15%を超えていることも求められる。食事の提供や入浴も通所介護の重要な機能 −− 。そうした認識から、5時間以上のサービスの回数が5時間未満の回数より多くなければいけないとされた。要介護認定を受けて間もない時期は状態が変わりやすいため、初回の認定から1年経っていない高齢者が15%以下であることも要件となっている。
 

 さらなる詳細は年度内に通知で

 
これらを全て満たした事業所は、評価期間の翌年から始まる新たな年度に恩恵を受けられる。4月から3月までの1年間に、全ての利用者について通常より3単位多い報酬が得られる(加算I)こととされた。評価期間が終わった後もBIを測定・報告し続ければ、その利用者に限ってさらに3単位上乗せすることが認められ、計6単位を取得できる(加算II)。
 
ADL維持等加算(I)3単位/月
要件を満たせば次年度の1年間に全ての利用者について算定
 
ADL維持等加算(II)6単位/月
評価期間が終わった後もBIを測定・報告し続けている利用者のみ算定
 
厚労省の担当者は、「最初の評価期間をいつからスタートさせるかも含め、より詳細な内容はまだ検討中。事業所さんができるだけ早く算定できるよう努力する。今年度中に通知で示したい」と話している。3単位から6単位という単価については、「点数が労力に見合っているのかどうか。色々な議論はあり得ると思うが、我々としては適正な範囲だと認識している」と説明した。

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