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2018.1.26
= 2018年度 介護報酬改定 =

「本当に大丈夫…?」 居宅の管理者要件の厳格化、今後の対応策をめぐる議論も

 


具体策がほぼ出揃った来年度の介護報酬改定をめぐり、介護職員らでつくる労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が24日に「緊急アンケート」の結果を公表した。
 
居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネジャーに限定していく(経過期間3年)ことについて、否定的な意見が多く集まったと報告されている。複数回答で考えを尋ねたところ、「主任ケアマネの研修内容と管理者は別なので反対」が34.4%で最も多かったという。以下、「主任ケアマネを取るための費用を法人が出してくれるなら賛成(32.9%)」、「業務負担が大きくなるので主任ケアマネになりたくない(23.0%)」の順に続いている。
 
このアンケートは昨年12月にインターネットの公式サイトで行われたもの。NCCUの組合員413人が答えている。それによると、「主任ケアマネは人材育成に優れているので賛成」は19.6%、「主任ケアマネは業務管理に優れているので賛成」は11.1%だった。
 
自由記述をみると、「本当に人材育成につながるのか疑問」「スキルがないのに資格だけ持っている主任ケアマネも多い」「主任ケアマネでも能力にずいぶん個人差がある」などが目立っている。「時間・費用の負担が重すぎる」「研修機関を儲けさせるだけ」といった不満も寄せられていた。
 
NCCUの村上久美子政策部門長は、「強く懸念している。現場の負担がかなり重くなるが、必要な人がみな本当に主任ケアマネを取れるのか? なんとか主任ケアマネを確保しても、その人が辞めてしまえば事業所は存続できなくなる」と問題を提起。「このままで本当に大丈夫なんでしょうか…?」と首をひねっている。
 

「現場の実情に配慮した運営を」

 
厚生労働省の狙いは、ケアマネジメントの質の向上に結びつけていくことだ。研修カリキュラムの中に人材育成や業務管理の手法などが含まれている、と理由を説明している。今回のアンケート結果と同様の慎重論は審議会でも出ていたが、「3年間の経過期間のうちに必要な人員を養成・確保できるはず」と理解を求めてきた。ただ疑問の声はくすぶり続けており、混乱を拡大させないためにとるべき今後の対応策をめぐる議論も少しずつ始まっている。
 
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「いわゆる『1人ケアマネ』など研修を受けるのが非常に大変な人もいる。地域で頑張っていた人が事業の継続を諦めてしまうと、利用者にしわ寄せがいくことになる」と警鐘を鳴らす。そのうえで、「当面は管理者が1人もいない事業所のケアマネが優先的に研修を受けられるようにすべき。夜間も開催していくなど、現場の実情に配慮した親切で柔軟な運用も重要だ。体制を整えるための自治体への手厚い支援も欠かせない」と提言している。このほか、「管理者の要件を厳格化すること自体は否定しない。ただ人材育成などが目的というのなら、主任ケアマネではなく管理者を育てるための専用の研修を用意すべきだった」とも指摘している。

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